善人ヲ装ウ、正直ナ悪党。
シゴト終わりに、大貴に資料庫の1件を伝えると
「すげぇな。 昼ドラ完全再現するヤツっているんだな」
大貴は、呆れるを通り越して爆笑していた。
「ビックリだよね。 昼ドラって、あながちフィクションじゃないのカモよ」
「実在したしなー」
大貴の笑いはなかなか収まらない。
確かに話だけ聞いてると笑えるんだけど、実際あの様子を耳にすると、結構気持ち悪かった。 思い出したくないもん。
「・・・・・・で、この事、剛に言う??」
笑い続ける大貴に問いかけると
「藍はそうするべきだと思ってるんだろ?? オレも藍に同感です」
笑いを飲み込んだ大貴が、ワタシに笑顔を向けた。
「レコーダー、貸して。 オレが剛に話すわ」
大貴がワタシの方に右手を出した。
その手にレコーダーを乗せる。
大貴が話してくれると言ってくれて良かった。
ワタシは性格がキツイ。 話し方も直接話法になって、剛を更に傷つけてしまいそうだから。
その点、大貴は物腰が柔らかい。
剛の傷を深くする様な事はしないだろう。
「大貴、お願いね」
「はいよ」
剛は馬鹿だけど、ワタシたちの大事な仲間。