善人ヲ装ウ、正直ナ悪党。
イライラしながら、封筒に糊付けという、全く脳ミソを使わない作業をしていると
「藍、顔怖ぇから」
剛が苦笑いしながら、ワタシのデスクに寄ってきた。
「元からですけど??」
剛を見上げ、軽く睨みつける。
オマエのせいで、大貴の信用失ったんだぞ、クソがッッ!!
「そうだね」
「だから、嘘でも『そんな事ないよ』って言えっつーの」
否定しろや、剛のアホ!!
「以後気をつけます」
剛は少し笑うと、丁度空いていたワタシの隣のデスクに座り、糊付けを手伝い始めた。
「別に手伝ってもらうほどのシゴトじゃないよ」
剛には、自分のデスクに戻って自分のシゴトをして頂きたい。
だって、大貴が機嫌悪そうな顔でチラっとこっちを見たから。