善人ヲ装ウ、正直ナ悪党。
課長に拳を振り上げた時
「大貴!! 課長の携帯、パス!! パソコンに繋いで初期化してくる!!」
あまりにも戻りが遅いオレらを心配してか、遥が駆けつけて来た。
そんな遥に向かって、課長の携帯を投げる。
「携帯のデータ消しても、他にもデータ飛ばしてるに決まってんだろ」
課長の不気味な笑いは止まらない。
「ワタシ、課長のデスクのパソコンの暗証番号、知ってますよ??」
遥が、課長を睨みながら少し笑った。
「・・・・・・・・オイオイ。 遥の為にやってんだろーが」
急に手の平を返した遥に、困惑する課長。
「・・・・・・・ワタシ、ちゃんと課長の事、好きだったんですよ。 課長の性格知ってるから、課長が藍に余計な事をするのが想像出来た。 何やってるの?? ガッカリさせないで。 課長が藍にした事も許せないけど、ワタシに課長を好きだった事実を後悔させた事が赦せない。 ワタシ、こんな事する課長を好きになって剛と別れた事、死んでも悔やみきれない」
遥が、涙を浮かべながら課長に吐き捨てた。