吸血鬼の君と×××のわたし
1日目
プロローグ……………
ざわざわ_
草木の揺れる音が耳に響く。
森の木々は覆いかぶさるように迫ってきて、光は逃げる間も無く消えていった。
肌を触る風は鋭く、見えない刃物が心も体も傷付けていった。
「はあっ。はあ・・・・。何故見つからないのっ・・・。」
もう夜になるという森の中、金色の髪の少女は必死に何かを探していた。
少女はピンクのドレスの上にコートを羽織っただけの格好で、とても森の探索に向いているとは思えない。
ドレスには様々な刺繍が施してある。育ちの良い娘なのだろう。
「このっ。見つからないわっ!」
痺れを切らしたのか、足元にあった石を大きく蹴り上げた。
すると、石はなんということだろうか、近くに寝ていた狼の頭にクリティカルヒットしてしまった。
ガツンッ
いい音がした絶対痛いだろう。
腹を立てたのか狼は背後から少女に歩み寄って行くが、少女は気付く様子はない。
狼はいかにも凶暴そうで、体も平均より、ずっと大きい。襲われたら、男性でも到底かなうとは思えない。
少女との距離が10m、9m、と縮まっていく。
目をギラギラと光らせて、その大きな口で噛みつこうとした
そのとき
ガブリッ
・・・ドサッ
《噛みつかれた》確かに、
でもどういうわけか、地には大きな獣が転がっていた。
その場所から少し視線を上げると・・・いた。
【それ】はあまりにも大きかった。
闇に光る大きな赤い目、ひと5人ほど、容易に包めるだろうという翼を持つ蝙蝠がそこにいた。
【それ】はじっと少女を見つめている。
背中に悪寒が走る。気がつけば全身に鳥肌がたっていた。足が震え、歯はガチガチとうるさい。
おれは森にきたわけなどすっかり忘れ、ただ怯えていた。
とてもこの世のものとは思えない。
形容できる言葉があるとすれば【悪魔】ー。
そんな言葉がふさわしいと思った。
ガランッ
黒く染まる森に、一つの光が落ちた。
ざわざわ_
草木の揺れる音が耳に響く。
森の木々は覆いかぶさるように迫ってきて、光は逃げる間も無く消えていった。
肌を触る風は鋭く、見えない刃物が心も体も傷付けていった。
「はあっ。はあ・・・・。何故見つからないのっ・・・。」
もう夜になるという森の中、金色の髪の少女は必死に何かを探していた。
少女はピンクのドレスの上にコートを羽織っただけの格好で、とても森の探索に向いているとは思えない。
ドレスには様々な刺繍が施してある。育ちの良い娘なのだろう。
「このっ。見つからないわっ!」
痺れを切らしたのか、足元にあった石を大きく蹴り上げた。
すると、石はなんということだろうか、近くに寝ていた狼の頭にクリティカルヒットしてしまった。
ガツンッ
いい音がした絶対痛いだろう。
腹を立てたのか狼は背後から少女に歩み寄って行くが、少女は気付く様子はない。
狼はいかにも凶暴そうで、体も平均より、ずっと大きい。襲われたら、男性でも到底かなうとは思えない。
少女との距離が10m、9m、と縮まっていく。
目をギラギラと光らせて、その大きな口で噛みつこうとした
そのとき
ガブリッ
・・・ドサッ
《噛みつかれた》確かに、
でもどういうわけか、地には大きな獣が転がっていた。
その場所から少し視線を上げると・・・いた。
【それ】はあまりにも大きかった。
闇に光る大きな赤い目、ひと5人ほど、容易に包めるだろうという翼を持つ蝙蝠がそこにいた。
【それ】はじっと少女を見つめている。
背中に悪寒が走る。気がつけば全身に鳥肌がたっていた。足が震え、歯はガチガチとうるさい。
おれは森にきたわけなどすっかり忘れ、ただ怯えていた。
とてもこの世のものとは思えない。
形容できる言葉があるとすれば【悪魔】ー。
そんな言葉がふさわしいと思った。
ガランッ
黒く染まる森に、一つの光が落ちた。