生と死の狭間で
「……っは?」
あまりの衝撃にオレは思わず声が裏返った。

「だ・か・ら、私は親とほとんど会ったことがないからわかんないの。」
「…な、何で」
「えー、何でっていわれても仕事でしょ?」
「へー仕事か~ってなんでやねん!!」

これではまるで息ピッタリの漫才師だ。

だいたい仕事だからって子供一人置いてって海外行くか?
しかもこいつは産まれた時から体弱かったのに、普通心配で仕事なんてできねーだろ。


「…じゃあ、お前今までどうやって暮らしてたんだ」

「私はずっとおじいちゃんの家で育てられたの。すっごい田舎だけど自然がたくさんあって優しい人がたくさんいてすごいいい所だったよ。

おじいちゃんとおばあちゃんもすごく優しくていっつも私の体を一番に考えてくれてたの。

ほんとーに大好きだったんだ。」

そういってこいつはまた笑った。何時もと同じ笑顔だ。
だからオレは聞いてしまった。

「…だった?」

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