生と死の狭間で
「あらあら、1日目からそんなに仲良くなる子達なんて珍しいわね。
何を話してたの?」

助かった、と思ったがどうやらそれは間違いのようだ。
どうしてこの病室に来るのはこんなにも空気が読めない奴ばかりなんだ。

「二人で自己紹介してたんですよ。」

オレが黙っているとこいつはまた笑って看護婦に話しかける。あえて言うならそのとうりだな、と感心する。

「あら、そうなの?
じゃああまり話に夢中になって体に障らないようにしといてね。二人ともまだあまり良くないんだから。」

「はーい!」

テキパキと夕食を準備すると、看護婦は足早に病室から出ていった。

「なんか、出ていくのスゲー早いな。」

「今まではずっと個室で喋る相手がいなかったから気を使ってくれてたんじゃない?」

そう言われればそうかもしれない、と思う。病院は患者に優しく接するように出来てるから当たり前だがな。

「まぁお腹も丁度空いてきた所だったし、早く食べよ!
いっただっきまーす!」
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