生と死の狭間で
「―オレ本当は…このケガはしたのは事故なんかじゃなくて…!」
真剣な直哉の顔。
不謹慎にもドキッと反応してしまう。でも何処か痛い訳じゃなさそうで同時に少し安心した。
そして直哉は一生懸命言葉をつむぐ。私は一生懸命話を聞く。
「オレはじb「直ちゃぁぁああああん!!!!」
突然の来訪者。そんな言葉がピッタリ当てはまる40代の女の人が直哉に抱きついた。
直哉は嫌そ~な顔をしながらその女の人をみる。でも女の人は笑っていた。私は何が何だか分からなくてビックリして立ち尽くした。
直哉とその女の人が何か喋っているのは分かるが何を言っているのかはわからない。
この女の人は誰なんだろう?
凄く仲良さそうだな。私と話している時と口数が全然違う。
「でも良かったわね~。同室の人がこんなに可愛い女の子で!!」
「っな!?」
二人の会話が聞こえてきた。可愛い女の子ってもしかして私!?
「っそ、そんなことないですよ!!」
私は初めての誉め言葉にまったく知らない人に慌て否定した。自分で鏡を見ることはほとんどないけど、今までそんな事言われた事もないし、私は自分の顔に自信などまったくない。
だから、ほんとに心から否定した。