生と死の狭間で
「───!!」
「──。」
「───────!!!」

なにやら周りで声が飛び交っている
ここは天国?それとも地獄?

今までそんなに悪いことをした覚えはないが良いことをした覚えもない。
いや、それともここは死んだものがすべて集まる場所で天国や地獄なんてものははなっから存在しないのか。

なんてことはなかった。オレは直ぐに現実に引き戻された。

「─ゃ!
ぉや!! 直哉―!!!」

響くのはお袋の声。
お袋は泣きながらオレに抱きついてくる。
周りにはオヤジや、白衣を羽織る医師達の姿が見える。

そう、オレは死んでいなかった。
四階から頭から落ちて死なないなんてオレもつくづく悪運が強いようだ。
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