生と死の狭間で

笑顔

そして今に至るわけである。

オレは荷物を片付けながらたまにこいつの話に耳を傾ける。
こいつは嬉しそうに飽きることなくしゃべり続ける。

「ところで直哉はどおしてそんな大怪我したの?」

素朴な疑問がオレに投げ掛けられる。

「…ぁーえっとぉ………」

言葉に詰まる。
学校で飛び降り自殺をさようとして失敗しました、なんてカッコ悪くていえねーし…

「…まぁ、いろいろあってな!
お前の方こそどうしたんだよ。入院して長いんだろ?」

あわてて話を反らした。少し強引な気もするがこいつの場合しゃべってればすぐ忘れると思ったからだ。しかし、それは失敗だった。

彼女の顔から笑顔が消えたのがハッキリわかった。


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