マイ・ダーリン
恋人は毛むくじゃら!?
「ポン太、ポン太!」
横でのぞむが必死に呼びかけている。
この間選んだ、毛の短い、ビーグル。
名前はポン太になった。
「なんでコイツを選んだの?」
自由奔放で、呼びかけてもなかなか来ないポン太を見て、のぞむが聞いてきた。
「やけに人懐っこいところが、可愛いなぁ、と思って」
「それをいうなら、『さやかに懐いてる』ところが、だろ」
そう。
なぜか、のぞむがいくら呼びかけても寄ってこないのに、
私が一声かけると、ポン太は私のところへゆっくりときて、
膝枕で落ち着く。
「かーわいー!」
「くっそー、飼い主は俺だぞ!」