優しい幼なじみの君…【完】
別れの秋
別れの秋。そんなの関係ないと思っていた私に、公園の落ち葉は私に向かって嘲笑う。
「…別れよう。好きな女の子が出来たんだ。ごめん」
大好きな彼氏…いや、元彼になった人は、申し訳無さそうに私に頭を下げる。
「…………え。あ、うん。分かった…」
私は、泣きそうになる気持ちを抑えて。笑顔で答えた。
──坂下優知。初めて出来た彼氏にフられました。
「……じゃあ、これからは友達な!」
元彼は、もう罪悪感がないかのように、笑顔で言った。
「うん。……分かった!」
「じゃあな!お前も、良い人見つけろよ!」
「……うん!今まで、ありがとうね!」
元彼に、私は笑顔で手を振った。元彼も、笑顔で私に手を振って、公園から出て行く。
独り残された私は、あの人の家に走って向かう。
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