優しい幼なじみの君…【完】
壁ドンをされた私は…気付く
暗くて静かな廊下で、私と涼ちゃんは無言で立ち尽くす。
「「……………………」」
いてもたっても居られなくなった私は、さっきの事を気にしていないような素振りで、涼ちゃんに話しかける。
「か、鍵取ってくるね………、……うわっ!!?」
私が、無理矢理の笑顔で笑った、その後。教室に入ると、涼ちゃんに肩を引かれ、教室の壁に思い切り肩を押さえつけられ壁ドンされる。
暗くなった教室で、涼ちゃんの顔は月光で光っていた。
「……優知…、…いい加減、…気付いてよ……」
涼ちゃんが、私と視線を合わせて、ゆっくりと話していった。涼ちゃんの綺麗な瞳には、涙がうっすらと出ていた。
私は、何がなんだか分からなくて、頭がパニック状態に陥る。
「………な、何…を……?」
「…俺が……、優知の事…好きって…事……」
涼ちゃんは、途切れ途切れに言っていった。涼ちゃんは、月光ダケでも分かるくらいに、顔を赤くしていた。
「………えぇぇえええ?!」
涼ちゃんの急な告白に、私は、ついビックリして大声をあげてしまった。
「………小さい頃から……、ずっと……。好きだった……。でも、優知は気づかないし…。彼氏とか作るし…。俺以外の奴に…笑顔見せるし……」
涼ちゃんは、少しずつ声のトーンを下げていく。