優しい幼なじみの君…【完】
ヒーローな君
「じゃあ、優知行こっか?」
「うん!クレープ、クレープー」
掃除が終わった涼ちゃんが、私に微笑みかけて言った。私は、涼ちゃんの腕を引っ張って、玄関まで走る。
「……優知、そんなにハシャぐと転ぶよ」
「大丈夫、大丈夫!そんな時には、涼ちゃんが助けてくれるから!涼ちゃんは、私のヒーローだもん!」
私は、グーをあげてスーパーマンの真似をする。
「ははっ……。そっか……」
涼ちゃんは、私の足の遅い走りに合わせて走ってくれる。
「うん!涼ちゃんヒーローだよ!」
「じゃあ、毎日、優知に降りかかる危険から守らないとね」
「ありがとう!涼ちゃんヒーロー!」
「いーえ。大事な優知を守るためなら、なんでもするよ」
「私も、涼ちゃんが大事だよ!」
そんなやり取りをしてしいると、玄関につく。私と涼ちゃんは、上履きから外靴に履き替えて、クレープ屋さんまで、二人で歩いて行った。