優しい幼なじみの君…【完】
「あの、ここ、列んでいる途中ですけど……」
私は、横入りしてきた男の人達に話しかける。
「あぁ?別に、少し位変わんねぇだろ」
ヤンキーみたいな人が、私の発言にイライラする。
「でも、ココまで列んできた皆が迷惑です!」
「ごちゃごちゃ、うるっせぇな」
ヤンキーみたいな人は、私の肩を押した。その時、涼ちゃんが、ヤンキーみたいな人の手首を掴む。
「俺の大事な優知に何触ってんの?黙ってみてたら、好き勝手にさ。…常識ってものが、アンタ達には無いわけ?」
「……涼ちゃん……?」
……こんなに怒った涼ちゃんみたことない…。でも、…涼ちゃんが凄いかっこよく見える………。
「うるっせっ……、ん?…おい!離せよ!」
ヤンキーみたいな人が、凄い頑張って涼ちゃんから手首を離そうと腕を動かすけど、全然離れない。
「……横入りしたことと、優知の肩を押したこと、謝ったら離す。それと、これから横入りしないことを約束すること。そしたら、離してあげる」
ヤンキーみたいな人は、文句を言おうとしたけど。涼ちゃんに、叶わないと思ったのか、すぐに涼ちゃんの言うとおりにした。
「わ、分かったよ。……横入りして悪かったよ。……か、肩押して悪かった…。もう、横入りしねぇよ…」
涼ちゃんは、それに満足したのか、笑顔で手首を離した。その後すぐに、ヤンキーみたいな人と、その仲間の人達が慌てて列から離れた。
「涼ちゃん、凄いかっこよかった!」
「いや、当たり前の事しただけだよ…。それに、優知の肩を押したことに、ちょっと怒っただけ」
「やっぱり、涼ちゃんは、私のヒーローだね!」
「うん。優知の事、ずっと守ってあげるよ」
「それは、安心!」
私が、笑うと涼ちゃんは、少し視線を泳がす。それと、ほぼ同時に私達の番に変わった。
私と涼ちゃんは、お互いの好きなクレープを頼んで。店員さんからクレープを貰って開いていた席に座った。