俺達付き合っています
目立ちながら校門をくぐり、歩く。


「で。家どこ?」

「ええと、ヒュッて行って、ンッて曲がったところかな?」

「あぁ、ヒュッて行ってンッて曲がった所な。…いや、わからねぇよ」

「よかノリツッコミと」

「試したのか?」

「違うばい。ホントにその道を真っ直ぐヒュッて行って、三個目の信号を右にンッて曲がるだけとよ」

「『ヒュッ』と『ンッ』が合ってねぇよ」


私が言った道を丈留くんは歩幅を私に合わせて歩く。


さりげなく優しいのか。

なるほど。モテる男は違うのか。
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