愛し*愛しの旦那サマ。
すると、
「何よ……」
また突拍子もないこと言わないでしょうね、的な視線で理沙子が私を見る。
「私、そろそろ行かないといけないところが……」
本日の幸代は、アレを購入しなければいけない。
なんたって、本日、二月十四日は……
そう。
バレンタインデーだ。
そんな私の現在の思考を察してか、
「あー、チョコ買うの?あ、でも幸代は手作りだろうから材料買いに?」
と、理沙子が言う。
だけど、私は理沙子の言葉に、「チョコじゃあないの」と、首を横に振る。
「鮮魚店」
「は?」
「今日、バレンタインだから鮮魚店に行かないといけなくて」
私の言葉に、理沙子はまた眉間に皺をぎゅっと寄せて、
「あのさ、なんか、それ、ちょっと言葉がおかしくない?」
と、首をかしげる。