愛し*愛しの旦那サマ。


そうね。

確かに、バレンタインと言えばチョコレート。

チョコレートなんだけど―…


「臣くんはチョコとか甘いもの好きじゃないのよ。だけど、何もアクションを起こさないのもつまんないでしょ?だからね、妻としてちょっと頭を捻ってみたってワケよ」

「……どう捻ってみたのよ」


理沙子はイヤな予感を感じた時にする表情で私を見る。


「聞きたい?」

「―…別に」

「ウフフ……安心して、理沙子にもちゃんと写メ送ってあげるから」

「だから別に、って(しかもアンタ、写メって何だ??)……」

「じゃあ、ワタシ、本日の準備があるのでちょっと失礼するわネ」


我が道を進むべく、そう言って立ち上がり、


「じゃあ、理沙子、またお茶でもしましょう」


と、夏目さんをテーブルに置く私。だけど、


「あー、はいはい。私も旦那にチョコでも買って帰ろー」


理沙子もそう言って立ち上がったので、結局一緒に店を出た後に別れた。(理沙子サン、今年モヨロシク)



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