愛し*愛しの旦那サマ。


み、土産―…?

沖縄土産??


ますます理解出来ない―…


「ちょっ……普通、沖縄のお土産っていったら、ちんすこうか星の砂でしょっ!!(幸代的、勝手な見解)何故にメイド・イン・イタリー?!」


同じ事務所で働いているからって、沖縄土産に高級ブランドのネクタイだなんて、私だったら絶っ対にありえない。

そんな具合にジェラシー幸代全開でいると、


「ったく、そんなどうでもいい事より、早く夕飯にしてくれ」


と、冷めた声で臣くんに言われ、


はっ。ついつい……


と、ジェラシーバロメーターを下げる私。


そうだ、そうだ。

こんなことをしている場合じゃない。

チョコや甘いものがニガテな臣くんの為に用意した、バレンタイン特別メニューを早くお出しせねばならない。


「やだわ。私ったら、ついつい……あ、ジャケットとネクタイお預かりしまーす」


そう気分を切り替えて、臣くんの脱いだジャケットとネクタイを受け取りハンガーにかけた後、キッチンへと向かう。



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