愛し*愛しの旦那サマ。


「あとね、臣くん……」


そう言って、もう一品用意したバレンタインのささやかなプレゼントを取り出し、


「はい、どーぞ」


と、リボンがされた四角い箱を差し出す。


「……こっちは、どういう路線?」

「えっ?」

「まとも?ぶっとび?」

「??」

「いや、何でもない」


臣くんは、私の手から箱を受け取ると、するり、とリボンを解き、箱を空ける。


「クリスマスにあげたネクタイと一緒につけてねっ」


バレンタインの臣くんへのささやかなプレゼントは、クリスマスに贈ったネクタイと同じブランドのネクタイピンにしてみました。


「早速、明日にでもネクタイと一緒につけてね。そんでもって、激写させてネ」

「……どうも」

「あ、ホワイトデーとか、全然っ気にしないでね!次はネックレスとかピアスとか、全っ然、思っていないからっ」

「……」

「でも、どぉーしてもどぉーしても臣くんが幸代にお礼をしたいなら、ギュッとしてチューで、一緒にお風呂とかでも……」

全然、構わないですよ??

と、言い終わる前に、


「さっさと食えば?」


……無表情に一言いただきました。ちぇーっ。(遠慮シナクテイイノニ)



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