愛し*愛しの旦那サマ。
臣くんの周りにいる女の人たちのこと。気になってしまうから聞きたいのに、いつも、ほら、こんな風に臣くんは私を上手く扱って、かわしてしまう。
わかってはいるんだけど、こんな風に甘く優しく私に触れて、キスをされたら、臣くんに夢中になるしかないの。
「ねぇ、臣くん……」
「何?」
「バレンタイン、来年はやっぱりチョコを作ろうかな……」
高級チョコに負けないくらいの。だけど、甘さ控えめで、臣くんでも食べられる手作りチョコ。
何となく、そう思って呟くように言うと、
「俺、チョコとかあまり食べないけど」
と、臣くんは私の前髪を冷たい手で優しくかき上げる。