愛し*愛しの旦那サマ。
「知ってるよ……でも……」
「でも?」
「ほんのちょっとでいいから、臣くんでも食べてくれるチョコを作りたいなって……」
何となくね、そう思ったの。
すると、
「何でもいいよ」
と、私の髪の毛を弄びながら言う臣くん。
「何でもって……」
そんな適当な感じで言わなくても、と、髪の毛を弄ばれながら、口を膨らませる私。
「だから、幸代の作るものなら何でもいいって」
そんな言葉と一緒に、ぷにっと、臣くんが私の頬を軽くつまんで、膨らませた口をしぼませる。
思わず、顔がほころんでしまう。
「臣くん、大好き」
「知ってる」
「愛してる」
「知ってる」
いつもと同じやりとり。
臣くんの口から、
「愛してる」
って、聞きたいけれども、それ以上に、
「大好き」
「愛してる」
そんな言葉をいつだって私が伝えたくて仕方ないんだから、臣くんには敵わないね。