愛し*愛しの旦那サマ。
それにしても―…
臣くん、よく寝てるなぁ。
ホント、無防備。
無防備、だよね。
それでもって、臣くんの口唇に心なしか吸い寄せられる気がするんだよね。
“幸代、オイデ”
って、聞こえる気もするんだよね。
「じゃあ、失礼しちゃおうかしら……」
無防備な臣くんの寝顔にイッパツ、軽く愛のこもったチューを……
そう思って、口唇をゆっくり近づけると、
バシッ!
と、いきなり目を開けた臣くんにデコピンをくらわされた幸代。
「い、いったぁぁぁぁい……!」
デコピンされたおでこをさすりながら、涙目の私に、
「夜中からウザイんだよ」
不機嫌な声と顔で私を見る臣くん。
「お、起きてるなら起きてるって言ってよっ」
「寝てたよ」
「でも、起きてるじゃんっ」
「お前の気色わるい視線で、つい今、起きたんだよ」
ったく、何なんだお前は、と、臣くんがベッドから起き上がる。