愛し*愛しの旦那サマ。
そんな若い女性の声に、
ナヌッ?
と、臣くんよりも素早く振り向く私。
すると、そこには―…
年齢は私よりも若干若そうで、例えるなら新人女子アナ風の女が立っていた。
「やっぱり櫻井先生だぁ~」
臣くんの顔を見ると、嬉しそうに顔を緩ませる彼女。
容姿、ファッションスタイル共に、合コンなんかで男の第一印象ウケをかっさらっていきそうなタイプ。
―…しかも、何だか巨乳っぽい。
コートの上からでも、胸がワタシ、ボインよオーラを出しているのを感じる。
「こんなトコで櫻井先生に会えるなんて思いませんでしたぁ~、でも、そう言えば前に家はこの近くっておっしゃってましたよね~」
「そんなこと話したっけ?」
「私が事務所に入った初日にお話ししたじゃないですかぁ~」
もぉ~、
と、彼女は臣くんの隣りにいる私なんてアウトオブ眼中で嬉しそうに臣くんに話しかける。
うん。
何だか、イヤ~な予感するよ。幸代的シックスセンス発動です。