愛し*愛しの旦那サマ。
とりあえず―…三分間待ってみた。
なのに、臣くんはまだソファーから動いてくれない。
「臣くん、まだ食べないの~?」
「だから、先に食べてていいって」
「臣くんが一緒に食べてくれないと、胃がゴハンを受け付けようとしてくれないの……」
「じゃあ、昼はどうしてるんだよ」
「昼は……胃が割りきってくれてる」
「それは便利で機能優れた胃だな」
「……」
そんな会話中も臣くんの視線はずっとテレビに向けられたまま。(セメテ、コッチムイテクレテモイイノニ)
「臣く~ん、エビフライが呼んでるよ~」
「……」
「唐揚げも臣くんを呼んでるよ~」
「……」
「お味噌汁が冷えきる前に臣くんに飲んでほしいって~」
「……」
「野菜サラダが……」
ダイニングテーブルに座り、両手で頬杖をつきながら、本日の夕飯さん達の声(←幸代の声)を代弁してあげていると、
「……」
臣くんは(それは大きな)溜め息をついて、やっとこっちに来てくれた。