愛し*愛しの旦那サマ。
「ねぇ、臣くん」
「何だよ」
「ちゃんとホワイトデーの分、みんなに渡した?」
「多分」
「多分?」
「いちいち誰がくれたとか覚えてるかよ」
そうか。そうか。
確かにあれだけの量があればわからなくもない。
「全部配ったんでしょ?」
「適当に全部渡した」
でも、一応全て配布したみたいだし、ってことは―…
あとは、本命(幸代)の分だけですネ。
エビフライを頬張りながらも口元が、思わず緩んじゃうわ。ふっふっふっ。
そして、夕飯を食べおえて―…
ガタッ、
と、臣くんが、席を立った。
そわそわ、ドキドキしながら、臣くんの動きを見守る私。
いったんリビングを出て、寝室に愛のこもったホワイトデーを取りに行くのかしら?
いや、寝室は私にバレると思って、他の空いてる部屋?
それとも、もう既に隠し持っている?
そんな事を考えながら、じーっと、バレない程度に臣くんの行動に目を光らせる。