愛し*愛しの旦那サマ。
「浴槽が臣くんに早く入ってほしいって~」
「……」
「湯船のお湯が一番風呂は臣くんがいいって~」
「……」
「シャンプーが……」
「おい」
「はい?」
「何でもいいけど、背後でボソボソしゃべるな。かなりうっとおしい」
ソファーに座る臣くんの後ろにまわり込み、ボソボソ囁きかける私に冷たい一言頂きました……
そんな冷たい言葉よりも、今日はもっと欲しいものがあるのにっ。くぅ。
と。
そんなことを思っていると、
(またもや、それはそれは大きな)溜め息をついて、やっと臣くんは立ち上り、お風呂場へ向かってくれた。
―…まぁ、いつもなら、ここから一緒に入浴の交渉が始まるんだけど、
今日は、しない。
一緒に湯船につかりたいのいは山々だけど、今日は涙をのんでやめておく。
だって!
これでもし、一緒に入浴しちゃったら、私に隠れてプレゼントを仕込む時間に余裕がなくなったら申し訳ないし~…って、
あっ。
もしかして、今、なかなかソファーから動かなかったのは、私を先にお風呂に入れておいて、その間に何かサプライズ的なことを考えていたとか??
あちゃ~、それなら、臣くんをお風呂にせかさなければよかったな~。