愛し*愛しの旦那サマ。


「……別に、何となく」

「何と、なく??」


臣くんの言葉に首を傾げる私。

だけど、そう首を傾げながらも、

にま~っ、

と、口元がほころんでいく。


「臣くんっ……!」


そのまま、横になる臣くんに抱きつく私。


「ありがとぉ~っ」

「何がだよ」


大丈夫っ。幸代にはわかるの。

これが、臣くんなりのホワイトデーのプレゼントだって……(自己完結)

さすが、難関大学も司法試験も一発合格するだけあるわぁ~。

きっと、臣くんは、私がこういう行動に出ることを全てお見通しだったのネ……


「おい、」

「いーのっ。いーのっ。何も言わなくても。やっぱり、物とか形じゃなくて、こういう愛が大事なのネ……」


そのまま臣くんにすり寄り続ける私。


「……じゃあ幸代は、物はいらないんだな」

「……うん」(ずっとすり寄り続けてるヒト)


「じゃあ、リビングのテーブルにある箱、回収してきて」


「……」


すり寄り。

停止―…


そして、起き上がり。

リビングへ猛ダーッシュッ……!!




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