愛し*愛しの旦那サマ。
わ、私ったら!
意識していたわけでもないのに、ケチャップでオムライスに、
臣くん(ハート囲い)
なんて、書いちゃってるわっ……!
「臣くん(ハート囲い)」をスプーンでぎたぎたにして食べるだなんて……
そんなこと、幸代に出来るわけがないじゃないっ!
くぅ~。臣くんのことを考えながらケチャップを持ったのが間違いだったわ。
無意識ってこわい……
私。
一体、どうすればいい……?
……(タダイマ、カンガエチュウ)
そうだっ!
スプーンでぎたぎたにして食べる、なんて思うからいけないのよっ。
ケチャップで綴られた、「臣くん(ハート囲い)」
が、私のお腹に入ることで栄養となり、その栄養で臣くんに愛を注ぐパワーになる!
って、考えれば躊躇いも無く、はりきって、このオムライスを食べることが出来るわ。
ふぅ~、解決。解決、と。
では、早速。
栄養を注入するために、食べるとしましょうか。
「いただきま~す」
そう言って、ぱくり。
と、一口。
「……」
そして、はぁ~っ。
と、溜め息。
さて―…今の行動だけでどの位、時間が経ったかしら。
そう思って時計を見る私。