愛し*愛しの旦那サマ。

そんな感じで、ボーッとしながら、トレーをキッチンへと運び、空き缶をゆすいでグラスを洗い始める私。

それにしても……

塚本から飲んでないというご指摘を受けたけど、OL時代に比べて飲み会がめっきり減ってしまった今、私としては、結構飲んだ気が……(ダカラ、ボーットスルノ?)


だんだんと鈍ってきた思考の中、洗い物をしていると―…


「……っ!」


いきなり背後から伸びてきた腕に身体を包まれて、グラスを洗う手が止まってしまう。


「お、臣く……」

「続き」

「え……?」

「昼間の続き」


そう、臣くんは耳元で囁くと、私の後ろ髪を掻き分けて、うなじ部分に口唇を這わせる。


「っ……!で、でも、お風呂、溜めてるんじゃ……」

「溜まるまで少し時間あるだろ。何?嫌なの?」


そう言うと、

ぐいっ、

と、左手で、私の顔を横に向かせて、口唇に強めのキスをくれる。


“嫌なの?”


そんな風に聞かれても、私に拒否権なんかないことを知ってるくせに。


意地悪な言葉。



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