愛し*愛しの旦那サマ。
お風呂上りに、ソファーで臣くんと並んでテレビを見る私。
頭の中では、理沙子の言ってた話がくるくるまわっていた。
いや、確かに、臣くんと結婚したいけどさぁ……
そんな煮え切らない男に使うようなベタな手段を横にいらっしゃる櫻井さんに使うってどうなの?
っていうか、そんなこと試してみて、別れるほうを選択されちゃったら、私、一生立ち直れなくなるよ?
―…でも、大好きな理沙子から、あんな話を聞くと、試してみたい衝動に駆られてしまう単純な私。
「……!」
そっか!
本気にして試しちゃうからいけないんだっ!
“仮に”
という便利な言葉を使って、あくまでも例え話として、臣くんの反応を見ればいいんだわ!
で。
万が一、臣くんの口から不吉な言葉が出そうになったら、その話題を強制終了させて無かったことにしてしまえばいいじゃん?
あ~、
そう考えたら、今日の晩御飯は和食と洋食どっちにする?的なノリで、さらっと臣くんに聞ける気がしてきた!
そんな感じで気分が楽になってきたので、
「ね、ねぇ、臣くん……」
早速、試してみようと臣くんに話しかける。