愛し*愛しの旦那サマ。

まさか、あの日から臣くんがそんな事を思ってくれていたなんて……


「じゃあ……ちなみにの質問ですが、あの時、私があんなこと言わなかったら、挙式……してくれてたの……?」

「さあ」

「さあ、って……ヒドイ」

「永遠の愛なんてわざわざ形式的に誓っても、別れる時は別れるんだから無意味に思えるけどね。職業柄、色んな場面を見てるし。けど、」

「けど?」

「お前のドレス姿を見るのはわるくはないかも」


そんな臣くんの言葉に、


「……うっ」


またまた涙腺が緩む―…


「泣くのはいいけど、泣きすぎ」

「だって……」


もう昨日から、色んな涙を流してしまったけど、今回のことが一番、私の涙腺を刺激してくれてるよ……


「で、俺と挙式をしてくれますか?幸代さん」

「幸代“さん”って……」

「どうなの?」

「そんなの―…」


私の答えを聞かなくても、十分わかってるくせに―…臣くんは本当に相変わらずだ。


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