愛し*愛しの旦那サマ。

涙を拭って、臣くんと視線を合わせる。

“してくれますか?”

だなんて、臣くんの口から、そんな言葉を聞けるなんて思ってもいなかった。


「お願い……します」


嬉しすぎて、声が震える。

一年前に出来た記念日と一日違い。

今日、また一つ。

記念日が増えたね。

そして、


「ありがとう……」


その言葉と一緒に、臣くんの胸に飛び込む。

世界で一番心地良い場所。

こうして触れてるだけで、私の心は幸せで満たされていく。

たくさん、たくさん、私に幸せをくれる臣くんに出会えて、本当に本当に良かった―…


「臣くん……」

「何ですか?」

「せっかく、リクエストを頂いたドレスですが……式は神前式で白無垢を着たいです」

「……」

「あ、でも、別に式の話だからドレスは写真撮りで着ればいいよね。なんなら、盛大に披露宴とか……」

「俺が申し込んだのは挙式だけ。百歩譲って写真も可」

「……ですよね」

「ちなみに、お前の親父さんはバージンロード歩きたいって言ってたけど。酔っ払いながら」

「え」


貫一……

口では「そんくらいの我慢いいじゃないか」とか、言ってたくせに……


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