愛し*愛しの旦那サマ。


「臣くん……念の為、神様とイエス様両方に誓っておく?ちなみに、仏前式と人前式というものもあるんだけど……」

「一つに選べよ」

「でも、愛する父と私の希望が違う感じなんだけど……」

「話し合えよ」


確かに挙式は一回だよね……まぁ、私は臣くんとなら何度でもよろこんでだけど。


「それと、臣くん……」

「何?」

「ちょっと、いきなりの展開だったから具体案が定まってなくて……挙式場所とか考える時間を少々頂きたいんですけど……」

「……勝手にすれば」

「そして、世の中には式場見学バスツアーという素敵なツアーもあるんだけど……」

「一人で行けよ」

「あと、これ結構、重要なんだけど、国内と海外だったらどっちがいい?」

「もう好きにしろ」


好きにしろ……デスカ。


「じゃあ、ありったけの感謝を込めて、ちゅーしてあげるね」

「何でそうなるんだよ。歯、磨いて出直せよ」

「う゛……(蘇ル、リバース)」


でも、そんな臣くんのそっけなく(冷たい)言葉にも、さっきの涙から一転、口元が緩んでしかたない私です。


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