愛し*愛しの旦那サマ。
床に両膝をついて、声を掛けるも、
「……」
まだ眠りから覚めない臣くん。
それなら仕方ない……
何だかこのままじゃ、寂しいので、
「臣くん、眠りながらでもいいので、聞いてください……」
眠れる臣くんに(一方的ニ)話しかけてから出かけましょうか。
「実は―…今から、幸代はお味噌を求めて出かけてきます……目が覚めて幸代がいなくても、どうか慌てないでね。お味噌を手に入れたらすぐに臣くんのもとへ帰ってくるから。でも、もし一人で行かせるのが心配なら―…」
臣くんも起きて一緒に朝の散歩がてらついて来てもいいんだよ?
そう耳元で囁きかけるも、
「……」
目覚めない臣くん。
(目ヲ覚マシタ姿ヲ見テ出カケタイヨ……)
毎回、思うんだけどさ。
こんな麗しい寝顔を見たら、幸代の愛の口付けで目を覚ましてあげたくなっちゃうんだよね。
どうだろう。
今日は成功するかな?
それとも、見事にかわされて防衛されるか―…
はぁーっ―…
そう考えたら、何だか妙にドキドキしてきたっ。
よし。
しばしのお別れの前に、臣くんが寂しくないようにちゅーを捧げてから出かけるとしようっ。
そう心に決めて、スタンバイしようとした瞬間。