愛し*愛しの旦那サマ。
現れたのは、日本人だけど中世ヨーロッパの貴公子を髣髴させる気品溢れる美男子。
スラッと伸びた身長で、モデルでもやってるのかと思ったぐらい、全てが丁度良く整っている。
「臣ー!お前遅すぎ!」
理沙子の男友達の言葉に、
「お前が無理矢理呼んだんだろ」
と、彼はとても不機嫌そうに返す。
ヤバイ。声も素敵。
私の心臓はアレグロで16ビートぐらい余裕で刻んでいたに違いない。
目の前にいる他三人も十分イケメンなのに、どうしてこんなにも彼にドキドキしてしまうんだろう。
いっとくけど、決して私は面食いではナイ。
ちなみに元彼ジョージはルックスで言えば中より若干上くらい。
とんでもなく好みな男性の登場……
とりあえず私は、隣にいた理沙子に今の心境を伝えようとした。
「ね、ねぇ、りちゃこ、」
「何よ」
「なんだか、すごい胸がくるちいんだけど……」
「はぁ?だから飲みすぎるなって止めたでしょ」
「ち、違う!なんか、こう、身体が熱いってゆーか……」
「そりゃあ、そんだけ酒飲めば熱くもなるわよ」
ダメだ……
りちゃこ……理沙子にちゃんと伝わらない。