愛し*愛しの旦那サマ。
朝食をとった後は、旦那サマは出勤の準備にとりかかります。
顔を洗って、歯を磨いて―…スーツに着替えてから髪の毛のセット。
そして、胸にはキラリと光るひまわり型のバッジ。
準備が整うと、旦那サマはお仕事に向かうのです。
「はい、カバン」
「……」
「ネクタイ曲がってる」
「……」
「今日も頑張ってネ」
「……」
「じゃあ、行ってきますのチュ……」
と、私が愛らしい唇をチューの形にすると、ガチャン……!という音が響く。
どうやら―…玄関のドアを閉められたようです。
でもね、この位、私にとって全然問題ありません。
さて次は、テラスへと猛ダッシュ!
マンションを出て行く旦那サマの姿が見えます。そして、出勤していく後ろ姿を見えなくなるまで見送り、
「はぁ~…あのスーツ姿に癒されるわ~」
と、しばらくテラスで浸るのが私の日課なのです。