愛し*愛しの旦那サマ。


おりゃあっ!!


心の中で気合を入れて、割り箸を引く。結果は4番。一番、端っこの席だ―…


「じゃあ、みんな移動開始~!!」


理沙子の男友達の声でみんな立ち上がり、席移動を始め出す。


わ、私の隣りは―…



「……」



先に移動した、私の隣に無言で座った男子。それは―…


狙い通り、


櫻井臣くんっ!!!!


チラッと、隣を見ると、不機嫌そうな表情で臣くんが座ってる。と、その時、臣くんとみんなの生ビールが届いて、


「じゃー二度目のカンパ~イ!!」


本日二回目の乾杯。


隣にいる臣くんのオーラに圧倒されてしまっているのか、ジョッキを持つ手が震える。

そんな私を真正面の席になった理沙子が心配そうな目で見ていたらしいけど、そんな視線、私は全く気付かない。ってか、気付く余裕も気もない。

隣にいる臣くんにドキドキしながら、私はくいっと生ビールを流し込んだ。



その瞬間。いったん、プツリと記憶が途切れた。



< 41 / 498 >

この作品をシェア

pagetop