愛し*愛しの旦那サマ。
背後では何やら彼女が、ごそごそと動いている様子。
少しして物音が止むと、
「りちゃこ~、お布団きもちいいねぇ~よく眠れそうですよぉ~…」
気の抜けるような彼女の声が耳に入ってくる。
思わず振り返り、彼女に視線を向けると―…
案の定、しっかりと寝具を纏い、再びベッドで横になる彼女の姿が目に入る。
しかも、さっきの間にワンピースからバスローブに着替えたようで、
「りちゃこ~、このバスローブも肌触りがいいんだけどぉ~」
口元を緩ませて、バスローブの裾を頬に擦り寄せ始める。
ただ、彼女の瞼は閉じた状態。
これから本格的に寝入られたら困る……そう思って、
「おい、起きろ」
そう声をかけるも、
「りちゃ……理沙子~、今日は誘ってくれてありがとねぇ~」
俺の言葉は無視状態。
しかも、理沙子という女と勘違いまでしている始末。
酔いが抜けていないのか寝惚けているのかどうかは知らないが―…
タチが悪すぎ。