愛し*愛しの旦那サマ。
「金曜日の夜って気分が上がるよね~勿論、臣くんに会えてもっと気分上がってるけど~」
「へぇ~…それはどうも」
「ところで、そんな気分の上がる金曜夜の臣くんのご予定は~?」
「別に……」
「何なら一緒に晩御飯でも食べますか~?」
「遠慮しとく」
「じゃあ、明日の夜ならいい?」
「却下」
自分のマンションと彼女の住むマンションが近い為、仕事帰りに捉まればこんな会話を繰り返し、帰路に着く羽目になる。
あの日以降、彼女の押しは強烈だった。
そんな彼女に、いくら冷たい言葉をかけても、めげる様子もなく逆にどんどんエスカレートしている状態。
そして、やっと分かれ道まで辿り着くと、
「今日も臣くんと一緒に帰れて嬉しかったです。また来週もヨロシクね~そんな感じで今日も臣くんが大好きな幸代でした」
勝手に満足し、満面の笑みで俺に手を振り、帰っていく彼女―…