愛し*愛しの旦那サマ。


「……他、来るの誰?」


通話を切るのをやめ、塚本にそんな事を尋ねる。


『他~?K大ん時の別学部のヤツに声かけたら、男一人と女二人呼べるって言ってた~まぁ、つまり臣が来てくれたら人数丁度揃う感じなんだよなぁ』

「……」


塚本の言葉に結局、何時もの類の飲み会か……と、呆れる。

ただ、


「……その二人、本当に来るのか?」

『ん?理沙子と幸代ちゃんのこと?何で?』

「……別に。昨日、片割れに会った時は何も言ってなかったから何となく」


何となく、そんな事を塚本に聞いてしまう自分。


『ああ、誘ったのついさっきだからさぁ。ちょうど二人で遊んでたみたいで、ビアガーデンの割引券があるってことだけ言って誘ったら来るって言ってたけど~』

「で、その二人は他に誰が来るとか知ってんの?」

『いや~、うっかり言い忘れてる~』

「……」


塚本のこういう場合のうっかりは絶対に確信犯だな。

と、そんな事を思っていると、


『臣も行こうよ~ビアガーデン。純粋にビアガーデンだよ~?』


いいだろ~行こうよ~


そう何度もしつこく言い続ける塚本。

そして、さっきまでの断固拒否の姿勢から一転、


「時間、何時から?」


結局、そういう類の飲み会だと解りつつも、了承した自分。


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