愛し*愛しの旦那サマ。
一回、二回、三回―…回数を重ねる度に。
一秒、二秒、三秒―…時間をかけて触れ合う度に、彼女への想いが溢れ、何度、口唇を重ねても、それ以上の彼女を欲しいと思う。
あれ程、突き放しては待たせてしまった彼女。
やっと自覚したばかりだというのに、彼女の身体に身を沈めようとする―…そんな自分に、俺も我慢の出来ない、ただの男だと呆れる。
呆れるけれども、彼女が欲しくて仕方ない。
「っ……!」
抑えようとする声と、恥らうような表情が、また、自分の理性を壊していく。
そして、そんな俺を受け入れながら、
「臣くん……」
俺の名前を呼んで、
「大好き、だよ」
真っ直ぐに俺を見た彼女に、もう何度目かなんて忘れてしまったキスで応えた。
不思議な感覚、だ。
こうして彼女を抱いていると、時間の経過さえ忘れる。
それ程、心地良く、気持ちが安らぐと、いうのか……
そんな相手に出会えるなんて思いもしなかった。
出会いからずっと、こんな面倒な自分を想い続けてくれた彼女を愛しく感じて仕方ない。
彼女が想い続けてくれなければ、こんな感情を知ることはなかったのだろう。