愛し*愛しの旦那サマ。
私の臣くんへのアタックは大学を卒業して社会人になってからも続いていた。
運良く、私の住むマンションと臣くんの住むマンションが近かったこともあって、出没しそうな場所をはったり、一人暮らしの臣くんのマンションまでお誘いにあがることもあった。
誘い文句も“リバースのお詫び”から、“臣くんと一緒に何処でもいいからデートしたい!”に進化し、“デートしたい!”から“好き!”に更なる進化を遂げ、“好き!”から最終的には、“付き合って!”という言葉になってしまっていた。
何度思い返しても素晴らしき幸代的愛の進化論……
けど、そんな私の願いをすんなりと受け入れてくれるワケもなく、返ってくるのはウザイウザイウザイウザイ―…という、それはそれで痺れる言葉ばかり。
ウザイ扱いされながらも、めげずに臣くんにアタックを続けていた。
そんな調子で、ある日、偶然?にも仕事帰りに臣くんを見つけた私は真っ先に臣くんに声をかけた。
すると、臣くんの開口一発目の言葉が、
「もういい。わかった」
だったのだ。