愛し*愛しの旦那サマ。

珍しく、アップにされた髪の毛。

何時もと違う化粧に服装……

普段とは違う雰囲気の彼女に思わず見とれてしまう。


「どうしたの……?」

「別に」

「あ!髪とメイク、してもらったんだけど、どう……?」

「似合って無くは無いから、いいんじゃない?」

「別人みたい?」

「どう見ても幸代だけど」

「デスヨネ」


どう見ても何時もとは、また違う可愛さの幸代。

ただ、何時もと違っても俺が幸代を見間違えるわけはない。

それから、


「臣くん……」

「何?」

「会いたかった。大好き」

「……」


俺の身体に両腕をまわしたまま、離れようとしない彼女。

そんな姿を益々、可愛いと思ってしまって、


「幸代」


そう名前を呼んだ後、言葉で伝えるよりも先に、


「……っ」


彼女の口唇に触れてしまう。


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