愛し*愛しの旦那サマ。
「ホント?いいの?今の言葉、追加許可ってことだよねっ??」
「……」
「ちなみに、打掛けとカクテルは私だけの撮影っていうのはダメだからね!臣くんも一緒なんだからね!」
今度は顔を上げて、俺のパジャマをひっぱりながら確認してくる幸代。
そんな彼女に、
「わかったから、とりあえず離せ」
「じゃあ、交渉成立?」
「成立だから、服を離せ。伸びる」
そう言うと、
「は~い」
と、返事をしてニコニコと上機嫌で俺を見る。
譲歩することが多くなり困る、とは思うが、結局は俺もそんな風に喜ぶ彼女の姿が好きなのだから仕方がない。
「ほら、もう寝るぞ」
「うん。もう目を閉じたらすぐに夢の中に入りそう」
「なら早く寝ろ。おやすみ」
「ハイ。オヤスミナサイ、と、寝たいけど、ちょっと待って」
「……まだ、何かあるのか?」
「腕枕オネガイシマス」
「……」
腕枕の要求に、無言で彼女の頭付近に腕を伸ばすと、モゾモゾと俺の腕に頭を乗せてきた。