愛し*愛しの旦那サマ。

そんな感じで父の心配をしていると、


「ねぇ、ねぇ、おねーちゃん」

「何よ」

「私、まだ臣くんに会ってないんだけどー」

「あら、そうね。あちらのご両親とお姉さんへのご挨拶はしたけど、臣くんにはまだ会ってないわね」

「臣くん、タキシードでしょー?私まだ前撮りの写真見てないから、ちょー見たいんだけどー」

「そうそう、幸代ったら、前撮りの時の写メの一つも送ってこないから~お母さんもみたいわ、臣くんのタキシード……」


と、目の前に居る純白のウェディングドレス姿の私を差し置いて、臣くんのタキシードで騒ぎ出す母と妹。

まぁ、臣くんのタキシードにそわそわしてしまうという気持ちは私が一番わかるからいいんだけどね……


「っていうか、二人とも、(極度の緊張状態とやらの)お父さん一人にしてて大丈夫なの?」

「あら。そうね。ちょっと様子を見てこようかしら」

「じゃー、私もタキシード姿の臣くん探して隠し撮りしてこよー」

「はっ!?ちょっ……」

「あ、おねーちゃん。今日はなかなかキレーだね」

「えっ……そう?」

「ヘアメイクとドレスの力だねー」

「……(マッタク幸江ハ……!)」


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