愛し*愛しの旦那サマ。

しかも、しかも―…しかもっ!

私が晴れて臣くんの彼女になってからも、婚約してからも、結婚して私が臣くんの妻になってからも、塚本は私に遠慮のかけらもなく、臣くんをオネーチャンのいる飲み会に誘うのだ。

勿論、臣くんは合コンなんて全く興味ないし、きっぱり断ってくれる。

だけど、だけど、だけどっ!シツコイ、塚本!

許すまじ、塚本……!

心の中で“塚本”の名前を連呼して、ニンジンや玉ねぎをザクザクザクザク切っていく。

仕事帰りに来るってことは、塚本も我が家で夕飯を食べるつもりだ。

今晩のメニューはカチャトーラ……

いつも山盛り作るから一人分増えようと別にいいんだけどさ、私と臣くんの大事な大事な夕食タイムに割り込んでくるんだから……いい度胸だよ、塚本。

塚本への熱い思いを込めて、私は本日の夕食を作っていった。



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