愛し*愛しの旦那サマ。
も、もしや―…
と、思ってインターフォンの通話ボタンを押して画面を見ると、そこに立っていたのは、
「……!」
やっぱりお義母サマ。
「今、開けます!」
急いでオートロックを解除すると、かけていたエプロンをとってバタバタと玄関へ向かう。
冷たく、そっけない男と言われる臣くんを産んで育てたお義母サマが、どんなお方かと言うと―…
ガチャリ、ドアを開ける私。次の瞬間、
「幸代ちゃ~んっ!会いたかったわ~!!」
そんな喜びの声と共に、私をおもいっきり抱きしめてくれる、それはそれは素敵な姑サマなのだ。
「幸代ちゃん、元気してた?」
「ハイ~風邪の“か”の字も出てこないほどの健康体です~」
「はい、コレお土産ね~」
「わぁ~!ありがとうございます」
高級洋菓子店スイーツのお土産をいただき、お義母サマをリビングへとご案内。
綺麗にお化粧をして、上品に髪をまとめて、高級間違いないコートを羽織ったお義母サマは、どこからどう見てもマダム。
しかも、手にはバーキン様……
そんなお義母サマをこっそり心の中で、“マダム美佐枝”(←オ義母サマノ名前ハ美佐枝)と、呼ばせていただいている。