愛し*愛しの旦那サマ。
「入籍してまだ二ヶ月でしょ?今からでも全然間に合うと思うの。ほら、入籍をして少しあけて式を挙げたりする人なんていっぱいいるじゃな~い。さぁ、パンフレット見て見て!」
お義母サマに言われて、ごっそり出てきたパンフレットを手に取りめくってみる。
白無垢、打掛、純白のウエディングドレスにカクテルドレス―…パンフレットを見てるだけで幸せな気持ちになっちゃう。
式や写真のこと。理沙子にも同じ指摘をされたけど、臣くんが“イヤ”って言うし、結婚出来ただけでも幸せなのよ、幸代っ!とか、自分に言い聞かせてきたけど―…
目にしてしまうとやっぱり心が揺れちゃう……
「幸代ちゃん、今しか撮れない写真もあるし、式なんて結婚何十年後とかに挙げようなんて気になるものじゃないのよ??後で後悔しない為にも今やっておくべきよ~それなのにっ」
もう、あのバカ息子っ!
と、怒りに震えるお義母サマ。そして、
「はぁ……もうこの際、臣に睡眠薬でも飲ませて無理矢理着替えさせて、写真だけでも撮っちゃうってのもアリかもねぇ」
さらりとそんな提案が。
「す、睡眠薬……」
さすがの私もそれは後がコワイデス。