愛し*愛しの旦那サマ。


「だってね幸代ちゃん。色白でお肌がピチピチだからドレスとか似合うと思うの。お人形さんみたいに可愛らしいから着物も似合うわよ~」


お義母サマの言葉に、お人形さんは言いすぎデス、と思いながらも、紋付袴の臣くんの隣に白無垢の私。タキシード姿の臣くんの隣にウェディングドレス姿の私……

やん。王子様とお姫様みたい~なんて、ホワホワと想像を膨らませてしまう。

でも―…


「結婚はしてやる。けど、式とか写真は却下だから」


臣くんの声が私の脳内妄想を激しく吹き散らす。

そう。

それはプロポーズ?と言っていいのかは凄く謎だけど、結婚の話になった時に、実際に臣くんから言われた言葉。

式や写真は物凄く物凄く実行に移したいけど、臣くんの性格を考えると、式や写真を訴えたとしても、やっぱり棄却されそうだ……

普段は図々しく、前進前進!な私もやっぱり消極的になってしまう。


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