愛し＊愛しの旦那サマ。

『づいでに……臣と……イルミネーション……見たかったけど……ま、またの機会に……』


声を出すのも、しんどそうな塚本。


「うんうん。またあるかどうかわからない機会にね。それより、もうしゃべらないほうがいいわよ、塚本クン」


早くベッドでお正月過ぎまで安静にしてなきゃ、そう声をかけてあげると、


『さ……幸代ちゃん……あ、ありがと……』


何故かお礼を言う塚本。なんだ。嫌味を込めて言ったのに、ずいぶん風邪さんに参ってるみたいらしい。そして、


『臣にメリーグリズマズって伝え……ｹﾞﾎｹﾞﾎｯﾂ……』


力尽きるように塚本は電話を切った。


「塚本なんて？」

「臣くんにメリークリスマスだって」

「……」

「それにちょっと風邪気味みたいでね～早く良くなるといいわね～」


なんて言いながらも、人様の旦那をクリスマス大コンパに誘おうとするから、風邪なんてひくんだよ。と思うワタシ。

あ、でも、一応、風邪が悪化しないといいんだけど、とは思ってみる。